*写真屋の恋*


「もうほんと、からかったりしないんで、安心してください。てかゆなさんすんごい石頭ですね。」


「あ、そうなの?頭突きしたの初めてだから…」

そういえば軽くおでこが痛い。

その言葉にフッと峯村くんは笑って「じゃあ初めての頭突きは俺が頂きました」とか言って笑ってる。





笑ってる峯村くんはなんだかさっきのブラックな面影はなくなってて、



あどけないタレ目に私も自然と笑顔になった。
















「そーだ!センセイのその助手の子の話、詳しくおしえて!」

あえて明るく声を出す。
なーんにも無かったみたいに。


「えーまたWATARUさんの事ですか?そんな話より、タケさんの恋愛遍歴の方が面白いですよ?」


「うわでもそっちも気になる(笑)」


「俺16の頃からスタジオ出入りしてたんで結構なんでも知ってますよ。後、舞さんのダメんず伝説とか、後ー…」

「…え、え!16歳から?!すごい!なんで?!」

絶対経験豊富だと思ってたら、高校生からこんな華やかなところに出入りしてたんだーっ。すごいなぁっ。





「あ、俺モデルだったんで。」





本人自体が華やかーっ!!




「まぁ期待してた背があんまり伸びなかったんでやめちゃったんですけどね。」

ほら、いくら食べても細っこいまんまだし。と苦笑しながら腕をめくる。

…全然綺麗だと思うんだけどなぁ。


「それにだんだんモデルよりスタイリングの方に興味もっちゃって。先輩にしつこくつきまとって質問責めにしたり、そっち系の学校に飛びついたり、ヘアメイクにも手出したり……。ああ、そういえばWATARUさんの話でしたよね。」



すこし気恥ずかしそうに頭を掻いて、峯村くんは話をそらすみたいにセンセイの事を話し始めた---…。















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