*写真屋の恋*
「すみませんでした永瀬先生!私…っ、」
私…っ、アシスタント失格です…っ
頭を下げながら泣きそうになる。
うわぁぁ。本当なにやってんだろ私……。
いつもは絶対電源切れないように注意してるのに…。
しかも朝センセイを携帯で起こさなきゃいけなかったのに全然忘れてるし…。
あれ?でもセンセイ…起きてる?朝弱いのに…
「ぁあ、違うよ、ゆな君。そうじゃなくて…」
フワッ
ふいに香る、センセイの匂い…
「心配、するだろう?」
優しい響きと共に、
センセイは私の頭を、抱きしめるように引き寄せた。
後頭部にセンセイの大きな手。
カメラを扱う、繊細で節々がしっかりしている、
私の大好きな手。
頬にかかるセンセイの吐息…。
クラクラする。