*写真屋の恋*
薫さんが言っていたように、チャンスはチャンスなのだ。
「まあ、行ったところでハズレって可能性も無きにしもあらずですが。」
「ハズレ?」
「例えば撮影関係の出世かと思って入ったら話と違うOL業だったり」
「え!」
「給料3割増しという言葉を信じて入ったら、3割増しは3割増しでも半年契約だったり。」
「うわ!」
「あ、でも時々当たりもあって、うまいこと出世して最前線で活躍してる人も…」
「…ん?なんかホントにあったみたいな話し方するね。」
アツアツの焼き鳥を頬張りながら何気なく峯村君を見る。
「…。」
「え、なんで笑顔引きつってんの?」
「…ん、まぁとりあえず、目を通しておいたほうが良いですよ。ゆなさんの今後の人生左右するかもですからね。」
「…うん。」
人生、か。
私はどうなりたいのかな。
私は私をどうしたいのかな。