*写真屋の恋*
ビールの泡がスルスルあがるのを、頬杖つきながら見つめる。
私は酔った頭で色々考えた。
「…峯村くん。」
「はい。」
「夢と仕事と恋、どれもこれも終着駅が違うなら峯村くんどうする?」
「終着駅?酔ってますかゆなさん。」
「うるさいなぁー酔ってますよ。…あのね、センセイの事は好きだけども、それ以前にカメラマンとしてセンセイを大尊敬してるわけ。顔も知らない内からね。
…センセイの下で仕事出来るのはすごくやりがいがあって幸せなの。むしろずっとそうしたいぐらい。」
コロンと軽くなった串を皿に転がす。
「でもね、私の夢は、センセイのおかげで見つけられた大切な夢は、センセイみたいなすごいカメラマンになること。
今の仕事をずっとしたい。でもチャンスがあるなら掴みたい。…ゴールが違うなら、どちらか一つを選んでボールを打つしかないのかな。しかも恋に関してはゴールの輪郭すらあやふやでもう意味が分かんない。」
うーん…と机につっぷする私の頭の上から笑い声が降ってくる。
「アハハハ…」
「笑い事じゃないんだよーーはぁ」
「ゆなさんは若いですねぇ。」
え、いや、峯村君の方が若いはずなんですが…!?