アスファルトと空
こうして黙々とキーを打ってはいるけれど、結局何を書きたいのかしら?
このお話の起承転結は一体どうなっているの?

そんなの誰にも分からない。

だって、書いている自分が分からないのだから。
こんな書き方をしているから、時々大人ぶってふかしている煙草の煙が目に染みた訳でもないのに、涙が出てしまうほどの素敵過ぎる陳腐な質問をされる。


「これは実話なんですか?」

そんなことを訊かれて、答えを教えるほど私もバカじゃない。
文章なんてものは、現実にあって非現実的なもの。
読み手に真実なんて分かり得る筈が無い。

重要なのは、活字が脳にどう刺激を与えるか、ってこと。
私の私生活だと思っても良し、私の創り上げたもう一人の「私」の話だと思っても良し。

それは読み手側の自由なのだ。

だから、真実を書き手に求めているのは、ナンセンス以外の何物でもない。
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