大好きな君へ
以前からずっと引っかかっていた。
御所くんの好きなタイプってどんな子なんだろう?
……って。
でぶでぶすでめがねで…って
そんなこと、あるわけないよね。
私は馬鹿なことを考えながら廊下を歩いていた。
いつも御所くんの教室の前まで来ると足が止まる。
それは考え事をしていても関係なくて──
毎日、満員電車の中から御所くんの姿を探し出しているうちに“御所くんセンサー”?みたいな物が備わったのかも知れない。
教室の中がなんとなく気になって、そっと覗き込むと
窓際の一番後ろから二番目の席に御所くんの姿を発見して、テンションが上がった!
(あっ!御所くんが誰かと話してる!)
私は壁に耳あり状態で、息を殺して声に集中した。
「やっぱ女子は痩せてるのがいいよなぁ!」
「うーん…そうかもな」
「……」
ガーーーーーーーーーン!!!?
頭を鈍器で殴られたかもしれない……
でも、御所くんにならなぐられてもいいかもなんてそんなこと今はどうでもいいことだぞぉぉ!?
今の確かに御所くんの声だった。
「御所くん、そうかも。って…………」
それってやっぱりまんまの意味だよね?
裏があるとかないよね?
あたしって痩せてる?─わけない。太ってるよね。
かなりね。
かなーーりね。
─はぁ…。