大好きな君へ
「あ~何、何?アキラうるせー。何騒いでんだよ?」
側にいた何人かの男子が、アキラの騒ぎにわらわらと寄ってきた。
「ば~か。アキラのことだから、女の話に決まってんだろ」
そんな話しにも目もくれず、窓の外から顔を逸らさないアキラに男子達もアキラの後ろから覗き込むと
「吉野さんじゃん!!!」
─…。
おまえら、確かぶーちゃん呼ばわりだったよな──…な奴らがさん付けで吉野のことを呼んでいて───
(おもしろくない。)
「確かにキレイだよな?」
「うんうん!!」
更に、後ろからクラスの男子が俺たちの話に入ってきた。
「だろ?」
のアキラの一言に
「校内でも1、2いくんじゃね?」
寄ってきた男子が一斉に頷く。
「…」
「オレ、お近づきになりてぇー!」
「…」
これは…ヤバいかも。
ぶーちゃんだったから、安心していた。
吉野に声かける奴はたぶんいないって。
吉野の良さを知ってるのは俺ぐらいだからって。
そのうち声をかけよう。
そのうち仲良くなろう。
そのうち友だちからはじめればいいつて。
そのうち………。
でも、
これは、本気で何とかしないと…ヤバイ。