大好きな君へ


息が上がる。


こんなに近い距離なのに…。


彼女の姿が近づく度に益々ドキドキしてくる。


「吉野さーーんッ!」


今、いなくなったら困る。



「吉野さん!!」



いなくなったら困るんだ…







「吉野さーーんッ!」



彼女をそこにつなぎ止める為に、何度も名前を叫んだ。



このチャンスを逃したら、彼女は…



昼間のアキラたちとの会話が蘇る。



『吉野めっちゃキレーになったよな…』

『オレ、お近づきになりてぇー!』






俺はものスゴく焦っていた。



ものすごく。
< 18 / 22 >

この作品をシェア

pagetop