大好きな君へ



陸上部のキャプテンの御所くんは



カッコよくて優しくて、学校でもかなりモテる方で


そんな人と私が釣り合わないのは承知だったから



中学の時からずっと好きだったけど、告白なんて有り得ないと思っていたのに───



「私と付き合って下さい」



玉砕覚悟で告白した私に御所くんは



「うんいいよ」


って…返事で──


(へっ?)



御所くんは、しらっとゴクゴク普通にそう言い切った。



「うっ…うそっ…」



驚きすぎて…もう嘘だとしか思えなくて

思わずそう呟くと



「えっ…嘘がよかった?」



なんて御所くんは聞いてきて…



私は



「あわあわ…わ…わ…」


ってバカみたいに焦ってしまった。



だって、こんな事あり得ないし…きっとこれはからかわれているんだ
そうとしか思えない!



でも、御所くんが女の子をからかうなんて?

絶対に無い。


じゃあ─夢?


うん!きっとこれは夢だ!



醒めるんだよもう直ぐ………なのに、



「…ありがとう」


えっ…



御所くんに、ふわりと抱きしめられて


色々考えていた事が一気に吹っ飛んだ。









──夢じゃなかった───

────

──





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