大好きな君へ


デブでぶす。


それでも内面を磨けば、必然的に外見も美人に見えるって
必死に勉強した。

成績は良くなったけれど


おかげさまで、視力が悪くてめがねが必須アイテムになった。


デブでぶすでメガネ女。

オシャレも似合わないからほとんど制服姿。


髪は腰まであるロングだけど、アメリカンカントリー命の母のおかげで年中おさげ。


“大草原の○○○○”ガ大好きな母に、名前だって危うくローラやキャロラインなんて付けられそうだったらしいし……


今どきど田舎だってそんな姿の女子いない!


って言うのが私だった。


それでも
身の程しらずってわかってても…御所くんの傍にいたかったんだ。



私+御所くんの傍にいるには?

A・ストーカーする。



私の頭には、これしか浮かばなかった。



単純明快な式。



だからストーカーしてたんだ…いい意味の。






そしてある日、目撃してしまった。



マジ?って思っていたけど……


本当にいたんだよ。



御所くん満員電車で…お尻触られてた。



見た瞬間。

(羨まし……いや!どこ触ってんの!?)

って、怒りで頭が真っ白になって…


気づけばオバサンの手首をガッと握って、隣の車両へ引っ張って行ってた。



だけど…
このオバサンだけじゃなくって…他にもいたんだよ。


(全く!世の中おかしいっしょ?)




だから私は、来る日も来る日も御所くんのボディガードとして…(っていつから?)


安全快適な御所くんの通学ライフを守るため闘ったんだよ!
(ってただの自己満足?)


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