大好きな君へ
俺はその日から、その女子が気になってしかたなくなった。
「めがねで、おさげで太ってるって…そいつは、きっと隣のクラスのぶーちゃんだよ」
「ぶーちゃん?」
「そう、ぶすで、太ってるからぶーちゃん」
友達のアキラは女好きで有名で、この学校の女子全員を把握しているといつも豪語していた。
「女のことならいつでも聞いてくれ!即答してやる!」
自慢げにいつも言っていた。
「しかし、御所。お前、ぶーちゃんは無いだろ?」
「は?」
「小学校からの付き合いだけど初めてお前の口から女の話を聞いたのが、ぶーちゃんなんて…」
「ありえねー…」
アキラは、俯いてため息をつきながら大袈裟に頭をブンブン振った。
「…マジかよ?あっ!もしかして御所、視力超悪とか?」
「悪くねぇよ」
俺は不機嫌になってきた。
アキラは、いい奴だけどブスが嫌いだ。
おまけに女の子は痩せてるのがちっちゃくって可愛いよなぁ〜!といつも言っていた。
─ぶーちゃんか……。