大好きな君へ
「吉野さん。しっかり鳥を見てよね。人間ウオッチングじやないからさ」
はぁ〜とため息混じりでいわれてしまった。
見透かされている──。
「すみません…」
私…高瀬先輩…苦手なんだよね。
真面目でイケメンなんだけど、取っつきにくいし、切れ長の目にメガネ掛けてさ、口癖「別に…」だし。
忌み嫌う訳じゃないけれど
やっぱり御所くんがいいよね。
私は先輩の忠告も忘れて、又御所くんを覗き込む。
ちょうど、助走をする前のキリッとした真剣な横顔が見えて
思わず声が出た。
「やっぱりステキッ!」
「おい、吉野」
「ハイッ…」
思わず出た呟きに鋭く突っ込みを入れられて、仕方無く森林の方に望遠鏡を向けた。