SugarⅠ
「引かないの?」
「何で?」
「気持ち悪いじゃない。」
制服の袖を捲り上げた。
手首を見ると、明らかに前より傷が増えている。
「気持ち悪くない。
………これは、姫仲が必死に頑張ってる証拠だろ?」
俺がそう言うと、驚いた顔をして、大きな目から涙を溢れさせた。
「疲れたの………、人に合わせることに……そしたら、いつの間にか1人になってた…」
リストカットの傷を見ながら、ゆっくりと話し始めた。