SugarⅠ


「引かないの?」


「何で?」


「気持ち悪いじゃない。」


制服の袖を捲り上げた。

手首を見ると、明らかに前より傷が増えている。




「気持ち悪くない。
………これは、姫仲が必死に頑張ってる証拠だろ?」



俺がそう言うと、驚いた顔をして、大きな目から涙を溢れさせた。



「疲れたの………、人に合わせることに……そしたら、いつの間にか1人になってた…」



リストカットの傷を見ながら、ゆっくりと話し始めた。
< 104 / 114 >

この作品をシェア

pagetop