SugarⅠ


「1人になりたかったわけじゃないの……っ………ただ…ありのままのあたしを見てほしかった…っ」



姫仲の手首に優しく触れた。

細くて、白くて。
悲しくなった。



「俺は姫仲がリストカットしてようが、無視されようが、嫌いになったりしない。
そのままの姫仲自身をちゃんと理解する。」



同じように、傷をつけることは、俺には出来ない。


でも……君の痛みを分かろうと、努力することなら精一杯する。



「ずっと誰かに話を聞いてほしかった………っ!!」



あぁ、俺がもっと早く話を聞いていれば。理解してあげられていれば。


姫仲の傷が増えることはなかったかもしれないのに。
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