SugarⅠ

優しく抱きしめ、頭を撫でてやると、子供のように泣き出した。



「姫仲……好き…」



抱きしめたまま、聞こえないように小さな声で呟いた。



泣きじゃくっている姫仲には、当たり前のように聞こえていない。




「姫仲?」


今度は、聞こえるように、大きな声で話しかけた。


「な、に…?」



俺を見上げた顔に、ドキッとする。


泣き顔は反則だ………。




「やっぱ何でもない。」


微笑みかけて再び頭を撫でると、初めて………


笑顔を見せてくれた。
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