SugarⅠ


「無理に決まってる」
そんな顔をして、大きな瞳で俺を見つめてくる。



「大丈夫、俺を信じて。
姫仲はよく頑張った。もう幸せになってもいいんだよ。」



手を差し出すと、ゆっくりと俺の手をとった姫仲。




「嘘ついたら許さないからね……」



下を向いてそう言っているが、もう目に涙はないみたいだ。


「分かってる。」


再び姫仲を抱きしめた。細くて壊れそうだったから、優しく。




君の傷を消すことは
出来ないけれど

痛みを分かち合うことは
俺にだって出来るよ



君の心の傷が治った時

僕の想いを伝えるから。



(姫仲、おはよっ)
(…………おはよう…)
(っ…今日も天気いいな!)
(うん……っ)


君が少しずつかわり始めた


-END-
< 108 / 114 >

この作品をシェア

pagetop