SugarⅠ

俺がそう言うと、満足そうに微笑んで、屋上のドアを開けた。


ついた途端に、繋がれていた手がパッと離される。

いつものことだけど、手を離されるときに悲しくなる。


その意味が俺には分からないが。




「で、今日はどーした。」


「んー………」



話すタイミングまで気まぐれだ。


「ま、時間はあるし。ゆっくり話せよ、ちゃんと聞くから。」


「ん、分かってるよ。」



そう言って寝転ぶと、眩しそうに顔を歪めた。



「ねー、涼。」
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