だって君が好きだから。
「あぁーー!!修〜!!」
朝、登校中に修の後ろ姿を
見つけて一目瞭然に走って
抱きつきに行った。
「うぉっ、ビビった。
朝から元気だな優梨は。」
修はイヤホンを耳から外して
ニッコリ笑ってそう言った。
「おはよう、修。
何聞いてたの?それ。」
「おはよう。
んっとね、尾崎豊だよ。」
「えっ、渋っ!
でもあたしも聞きたい。」
「CD貸してあげるよ」
「本当に?ありがとう♪
修が聞いてるのだから
聞きたかったし嬉しい〜」
「…〜っとにやべぇ。
なんでそんな可愛いこと
朝から言えるんだよ。こらっ」
修があたしをギューッと
強く抱きしめる。
「痛ーい」
「チューしてい?」
「ダーメ。」
「んだよ、優梨のケチ」
「だってね、
修があたしを振るんだもん
だから、ヤダ。チューしない」
「はぁ〜?なんだよそれ〜?
優梨大好きな俺がいつ
優梨を振ったんですか〜?」
「昨日、夜中に振られた。
あたし、すっごい泣いたんだからね」
「ごめん。…って夢かよ!!
勘違いするようなこと
言うんじゃありませーん」
「だから、目腫れてるの。
不細工だけど振っちゃヤダよ。」
「目、腫れてても可愛いから
ぜってぇー振らない。
てか、ありえないからそんなの。
でも俺のために泣いてくれて
ありがとうな。優梨」
チュっとあたしの腫れてる
目に優しくキスをしてくれた。