だって君が好きだから。
「病院に行く準備できたよ。
裏に車出してるから
みんな手伝ってくれる?」
「あ、俺が運びます。」
「あたし、荷物持つよ。」
「あたしは…?
何したらいい?」
「優梨は恭平の手を
ずっと握ってて。」
真樹にそう言われて
さっきよりも強く
キョーちゃんの手を握る。
「…優梨」
車の中でもキョーちゃんは
あたしの名前を呼ぶ。
キョーちゃん、がんばれ。
「もうすぐ着くからね。
病院について点滴して
眠ってたらすぐに良くなるわ。」
保健室の先生がミラー越しに
あたしにそう言った。
「うん、早く元気に
なってほしいよ。」
「大丈夫よ。」
保健室の先生は
優しく笑ってそう言った。
そして病院についてすぐ
キョーちゃんは点滴をして
ぐっすり眠っていた。
その間もずっと
キョーちゃんの手を握っていた。
真樹も修も学校が
終わったら病院に来てくれる。
早く、きてくれるといいね。
キョーちゃん…。
あたしはいつの間にか
眠っていたみたいだった。