だって君が好きだから。



あたしは涙を流しながら
修に抱きつく。




「お願い…。
別れるなんて言わないで…」




「…ごめん。」




「ごめんじゃわかんないよ!
もぅ、…あたしのこと
好きじゃなくなっちゃったの?」




「…頼むから、泣くなよ。」




修はそう言って
あたしをギュッっと抱きしめる。




別れるなんて自分が言ったくせに
どうして抱きしめたりするの?



あたし、修がわかんないよ。




「…好き、好きだよ修。」




あたしがそう言うと
抱きしめた腕をスルリと
緩めてあたしを離した。




「離さないで…」




「ごめんな、優梨。
送っていくから…帰ろう。」




「…嫌っ
帰りたくないもん。」




「頼むよ、
最後のお願いだから。」




修は俯いて言った。




「…わかった」



あたしはそう返事をして
ゆっくりと部屋をでる。



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