だって君が好きだから。

修がまだあたしを好き？



あたしを手放したのにも
ちゃんと理由があるの？




あたしはとっくに
冷められたんだと思っていた。




あたしは走って走ってできるだけ
あの場所から離れたかった。



「優梨ちゃん!!」




鈴夏さんが走って
あたしを探しに来てくれた。




「ごめんなさい…」




「…なんで？
最後まで聞かないの？」




「あたしにはキョーちゃんが
いるから、ダメなんです。
…聞けません。」




「修が優梨ちゃんのこと
どれだけ好きで
今、どれだけ苦しんでるか
知らないからでしょ？」




「…じゃぁ、
どうして別れたの!?
離さないって言ったのに。」




「それは、修にとって
恭平も大事だからなんよ。」




「え？」




「恭平はあの時誰よりも
優梨ちゃんの支えを求めてた。
だから、修は優梨ちゃんを
恭平に渡したの。」




「…ウソ。
……そんなのっ」




「全部、本当。」




あたしは涙をこらえることが
できなくてどんどん
涙が溢れて止まらない。