だって君が好きだから。
「…今のは、反則。」
キョーちゃんは
そう言って真っ赤な
顔をしてそれを隠すように
あたしをギュッと抱き締めた。
「キョーちゃん。」
「ん?何?」
「今日、キョーちゃん家
行ってもいいかな?」
「…え、ダメダメ。
お袋いねぇーもん」
「知ってるよ」
「ふたりだよ?
俺、何するかわかんねぇよ」
「…うん、いいよ。」
「それ、意味わかってる?」
「わかってるよ。ダメ?」
「ダメじゃないけど
本当にいいの?」
「キョーちゃんだからいいの。
早く、行こうよ。」
「…うん。」
あたしとキョーちゃんは
手を繋いで歩いた。
あたし、自分で言っといて
今さら、最強に恥ずかしいよぉ。
「ついたよ?」
「あ、うん!
おじゃましまーす。」
「適当に座っといて
飲み物取ってくるから。」
「うん、わかった。」
キョーちゃんは
そう言って部屋を出た。