だって君が好きだから。


「…よっ、
久しぶりだな、優梨。」




「うん、そうだね。」




あたしは次の日屋上に
修を呼び出した。



呼び出しておいて
修が目の前に現れると
キューっと胸が苦しくなって
何を言えばいいのか
わからなくなる…。




「あれ?髪の毛なんか伸びた?」




修はそう言ってあたしに
近づいてきて髪の毛を触る。



そんなちょっとしたことで
心臓が爆発しそうなぐらい
ドキドキしてしまう。




「…そぅ?伸びたかな?
修、その手どうしたの?」



指にたくさんの
絆創膏が貼られている。




「これ?
ラキに噛まれたんだ」




「え?ラキが?」




ラキは修が飼っている
小型のワンちゃん。
いつもおとなしいのに




「そぅ、エサあげてたら
俺の手まで噛みつきやがった。」




「あははは!ラキ可愛い!」



あたしはお腹を抱えて
笑い転げた。




「んだよ、そんな笑うなよ」




修はあたしの腕を
引っ張って立たせてくれる。



それと同時に目が合った。


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