だって君が好きだから。
「おっす、進んでる?」
入り口のドアの所から
ヒョコッと修が現れた。
「修!どうしたの?」
「お前、邪魔しに来たんだろ。」
岸田くんはいたずらっ子の
ように笑ってそう言った。
「手伝いに来たのに
そんな言い方ないだろ。」
そう言って修は
あたしと岸田くんの間に
ドカッと座る。
「邪魔すんなよな」
岸田くんは
ギロっと修を睨む。
「してねーもん。
優梨、手伝うよそれ。」
あたしの手から衣装を
サっと取って不器用な修が
ミシンで衣装を作ってくれる。
「お前、下手!」
「うっせ、黙ってろ」
岸田くんに下手と
言われてムキになる修。
本当、可愛いんだから。
あたしは必死にミシンと
戦う修を見て笑った。
「修、主役なのにこっち来て
大丈夫なの〜?」
「うん、みんな休憩中だから。」
「休憩の合間に来てくれたの?」
「うん、優梨大変だろうな
って思ったからさ。」
「そうなんだ。
…ありがとうね」
あたしがそう言うと
修はニッコリ笑った。