だって君が好きだから。


観覧車に乗り込んだ時。


グイッ!




「ぅわっ!」




「あっ!ちょっと恭平!」



真樹が観覧車の中で
窓ガラスを手で叩いてる。




「キョーちゃん?
どうかしたの?」




「昨日約束したじゃん?
約束は、守らないと優梨?」




「うん、そうだね」




観覧車に一緒に乗り込んだ。
キョーちゃんは静かに
景色を眺めている。




「これ、一周回るのに
10分もかかるんだってさ?
だから10分間一緒にいれるな!」




なんてちょっとかっこいい
セリフを言うキョーちゃん。





「そうだね!
てか真樹と修ふたりで
なに話してるんだろうね〜!」




「………」




「…キョーちゃん?」





「そんなに修たちが気になる?
優梨は修がそんなに好き?」




キョーちゃんはそう言って
席を立ってあたしの目の前にくる。




「え…キョーちゃん?
何言ってんの?
好きなんかじゃないよ!?」




「わかるよ?俺は。
……優梨が好きだから」




「………え?」





「どうしたら俺は修を越えられる?
どんな風に優梨を想えば
俺のこと好きになってくれる?」




「…キョーちゃん。
………でも、ごめんね。
あたしは修が好きだよ…」




「うん、知ってる。
優梨の気持ちを修から奪いたい」





キョーちゃんはそう言って
あたしにキスをした。



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