だって君が好きだから。
「なんだよ、お前いい奴だな」
岸田くんがそう言って
修に近づいて肩を組む。
「わっ、ちょっあぶね!」
「てかさ、
修ってそんなに優しかったけ?」
「あぁん?
何言ってんだよ。
俺は、優しいだろ!な?優梨。」
「うん、修は優しいよ」
「それさ、森野にだけだろ」
「あ、バレた?」
「バレバレ。」
「優梨以外の奴らに
優しくする必要ってないじゃん。」
修はそう言って
あたしの頭を撫で撫でする。
「ふ〜ん、そうゆうこと。」
「そうゆうこと。」
「俺は邪魔者なわけね。
…じゃっ、ちょっと休憩行ってくる」
岸田くんはそう言って
教室を出て行った。
「岸田くん、行っちゃったね」
「…岸田に告白されてたろ」
「え、見てたの?」
「教室入ろうとしたら
聞こえたから入るに入れなかった」
「そうだったんだ」
「うん。
俺、正直焦った。
ライバルは恭平だけ
じゃないんだなって…」
「…岸田くんは友達だよ」
「そんなのわかんねぇだろ?」
「…」
あたしは修しか
好きじゃないよって
本当は言いたい。
…でも言えないから。
ごめんね、修。