だって君が好きだから。
「修、戻んなくて大丈夫?」
あたしは話しを変えようと
チラッとケータイを見て言った。
「何で、話し変えんの?」
「…え?」
「俺は、真剣に言ってるよ。
優梨以外の奴に優しく
する気なんてないし。
優梨以外見る気なんてない。」
「…だったら」
「…だったら何?」
「…何もない。
あたし、トイレ!」
あたしはそう言って
教室を飛び出した。
…言えない。
今のあたしには言う立場
なんてないんだもん。
本当は修が白雪姫役
嫌だってこと。
あたしも、
やっぱり、修しか見えないこと。
まだキョーちゃんに
話せてないこと
修に話したいことは
山程あるけど…
まだ、言えないの。
ごめんね、修。
言えるようになるまで
待っててくれるかな?