だって君が好きだから。


「修、戻んなくて大丈夫?」




あたしは話しを変えようと
チラッとケータイを見て言った。




「何で、話し変えんの?」




「…え?」




「俺は、真剣に言ってるよ。
優梨以外の奴に優しく
する気なんてないし。
優梨以外見る気なんてない。」




「…だったら」




「…だったら何?」




「…何もない。
あたし、トイレ!」




あたしはそう言って
教室を飛び出した。




…言えない。
今のあたしには言う立場
なんてないんだもん。




本当は修が白雪姫役
嫌だってこと。




あたしも、
やっぱり、修しか見えないこと。




まだキョーちゃんに
話せてないこと




修に話したいことは
山程あるけど…



まだ、言えないの。




ごめんね、修。
言えるようになるまで
待っててくれるかな?




< 251 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop