だって君が好きだから。
あたしは衣装作りをしている
教室に戻るのに少しだけ
抵抗があったから、
役作りをしている
教室をこっそり覗きに行った。
「本番ではここで、
小人達が泣きます。」
台本作りをしたクラス委員長が
みんなを上手にまとめて
仕切っている。
小人役はセリフが
少ないからリハーサルの
時にしか練習に参加しない。
他のみんなは
舞台の背景を作っている。
木とか、家とか、いろんな物を
紙や、段ボールを使って作っている。
「ここで、王子様が現れます」
委員長がそう言うと
髪を一つに束ねた小西さんが現れた。
もちろん眠っている
白雪姫、…修の前に。
王子様は眠っている
白雪姫を抱き起こす。
この後する事なんて
考えなくてもわかる。
小西さんが修にキスして
修が目を覚まして…
嫌っ、やっぱり見れない!
あたしはその場を離れようと
全速力で走った。