だって君が好きだから。


ドン



「痛っ…」




「痛ぇな…
って、森野!大丈夫か!?」



岸田くんに
ぶつかっちゃったのか。




「ごめんね、大丈夫だよ。」




「え、でも泣いてんじゃん
森野、どうしたんだよ?」




「なんでもないよ」




「何!?
優梨、どうしたんだよ。」



走ったけど思ったより
教室から近くて
岸田くんの声が聞こえて
修が来てくれたみたい。




「ごめんね、練習の邪魔して。
あたし、ちょっと保健室
行ってくるからみんな戻って」




「じゃっ、俺も行くよ」




そう言って岸田くんが
着いてきてくれた。




「俺が行くよ」




そう言って修が
あたしをお姫様抱っこして
保健室へ歩いていく。



その間
何も話してくれなくて。



お互いに
黙ったままだった。




何て話せばいいのかな?




「…ごめんね、修。
あたし、バカだよね。」




「優梨はドジだからな。
何であそこにいたの?」




「…トイレの帰り道。」




「嘘つくな。
トイレの方向真逆だし…
本当はトイレも行ってないだろ?」




「…うん、ごめんね。」




「いいよ、さっきは俺も
問い詰めすぎっていうか
ごめんな、優梨。」




「…ううん。
あたしこそ、ごめんね。」



「いいよ。
ほら、足出してみろ」




保健室に着くと修は
あたしをベッドにおろす。

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