だって君が好きだから。


「消毒するの?」




「そぅ、だから
足早く出せよ。」




「いい、痛いし。」




「ダメだって。
バイ菌入るだろ。」




「ん」




あたしはしぶしぶ足を出した。




「痛くない?」




「…平気」




消毒をしておっきな絆創膏が
あたしの膝に貼られた。




そこに修が優しく
キスをしてくれた。




「よし、これで痛くない!」




「ありがとう…」




「…どうした?
何で、さっき泣いてたの」




「…なんでもないよ」




「まだ言わないつもりか?」




「…だって、だって。」




涙が溢れて出して
止まらなかった。




「どうした?言ってみ」




修はあたしの手を
ギュッと握ってくれる。




「キス…しないで。」




「キス…しちゃダメ?
そんなふうに泣かれたら
キスしたくなるんだけど。」




「…違っ、
他の人に…キスしないで。」




「他の人?
俺が、いつ優梨以外の奴に
キスした?言ってみ。」




「小西さんと…
キス、したんでしょ?」




「…あぁ〜!
劇の中のキスシーン?
嫌なの?俺が小西とキスするの」




「…わがままって分かってるけど
嫌なの、小西さんにキスしないで。」




あたし、ボロボロ
涙がこぼれてきっと
顔はぐちゃぐちゃ。




「そんなことで泣いてたの?」




「…だって、嫌だったんだもん。」




「…可愛いすぎ」




修はそう言って
あたしをギュッと
強く抱きしめてくれる。




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