だって君が好きだから。
「優梨がぶっちゃけてくれたから
俺も言うけど
俺、アイツとやべぇんだ。」
えっ…。
アイツと?
月に一回はわざわざ
東京にまで会いに行くほど
好きだったアイツと?
「…なんで。
何かあったの?」
「東京はさ、こんな田舎と
違ってさいい男
いっぱい、いんだろ。」
そう言う修の横顔は
辛そうで今にも泣き出しそうだった。
「…なに、言ってんの!
修は十分いい男だよ!」
「…サンキュー優梨。」
ズルい。
アイツはズルいよ。
なんで修みたいないい奴
がいんのに他の人のとこ
行っちゃおうとするの?
あたしだったら
絶対に行かない。
「あたしだったら
絶対に修だけだよ。」
何言っちゃってんの
あたし!
「あはは、優梨
何言ってんだよー!
……優梨がアイツなら
俺のことずっと好きで
いてくれたのかな…。」
「…いたよ。」
「ごめんな。
ちょっといいか…。」
修はそう言ってあたしを
抱きしめてあたしの胸で
肩を揺らしながら泣いている。
修のこと泣かせないで。
「修、泣かないで。」