だって君が好きだから。


「ヤダァー!!」



あたしが叫ぶと若い男の人は
少し、ひるんで腕を離した。




そのすきに駆け出した。




「あっ、待てよ!」




コンビニを出て走る。
足がからまるよ…




ドサッ


痛っ、どんくさいなあたし。




「待てよ!」




ヤバい、追いつかれた。




「こいよ、姉ちゃん。」




「やっ、ヤダ!」




「ぶつかったのは
姉ちゃんだろーが。」




また腕を引っ張ってくる。


パシッ



へっ?



「すいませんけど、
離してもらえます?」




「は?なんだお前。」




「…キョーちゃん。
うぇ、…うわーん怖いよ!」



キョーちゃんの顔を見ると
ホッとして涙が溢れた。




「こんな朝からナンパっすか?」




「ちょっと付き合って
もらうだけだろーが。」




「困ります。
こいつ、俺のなんで。」




「姉ちゃんがぶつかって
きたから悪いんだろ?」




「それは、すいませんでした。」




< 83 / 274 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop