Bishop革命
「この学校の高等部には生徒会というものがない。その代わりに、『総裁』という存在がいて、そのたった1人がこの高等部全体を牛耳ることが出来るんだ」
「総裁…、President【プレジデント】ってこと?」
「正確には、The Prime Ministerだな。まぁ、総理大臣も大統領も似たようなもんか。けど、ここの『総裁』は生徒のために政治をするわけじゃない」
喉が渇いたのか、諒介はコーヒーを一口飲んでから続けた。
「『総裁』になれば、自分の好きなように学校を動かせる。良くも悪くも、好き放題にな」
「何それ?だってここ学校でしょ?先生たちは何も言わないの?」
信じられないといった表情で、二湖は言った。
諒介は苦笑いをして頬杖をつく。
「私立なんてそんなもんさ。特にここの学園は生徒の親からの寄付金で賄ってる部分があるからな。生徒はいわばお客様。だから好きなようにやらせてる」
「…日本って、民主主義の国だと思ってたけど」
何だか裏切られた気分。
二湖は頬を膨らませて、諒介の説明に耳を傾けた。