Bishop革命
***



「にしても妙な学校だよね」


まだブツブツと文句を言っている虎太郎の脇で、二湖は言った。


学園を出て数分。
この辺りは緑豊かな住宅街で、どこかのんびりとした空気が流れている。


二湖や虎太郎のように、家路につく学生の波から外れて2人はその少し後ろを歩いていた。



「コタもどっちかに所属してるの?」


二湖が聞くと、虎太郎は面倒臭そうに答えた。



「まぁね。『ナイト』の方。バッジが付いてるでしょ」



そう言って、制服のブレザーを指差す。


そこには、チェスの駒の騎士【ナイト】の形をした黒いバッジが付いていた。



「へぇ。それで見分けるんだ」


「そう。『キング』の人たちは白い王様【キング】モチーフのバッジを付けてる」


「キングかナイトか、どっちに入るかは自分で決めるの?」


「基本的にはね。でもだいたい似たような人が集まる。キングの方は金持ちの持ち上がり組が多くて、逆にナイトは俺みたいな外部受験組が多い」


「へぇ…」


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