Bishop革命
虎太郎が意外そうに尋ねるので、二湖は頷いた。
「ちょっとだけね。すっごい綺麗だけど、人形みたいな人だなぁって」
「お前はアメリカにいたから知らないかもしれないけど、冷聖院財閥っていったら日本有数の大財閥。あの人はそこの御曹司だよ」
「そうなの!?」
驚いたものの、そう言われれば何だかしっくりくる。
大金持ちのお坊っちゃまというのは、あの人にぴったりだ。
「『ナイト』のリーダーはどんな人なの?」
二湖が聞くと、虎太郎は少し考えてから答えた。
「うちのリーダーは、黒松清貴って人で…。んー、何ていうか謎な人なんだよなぁ」
「謎?」
「歴代のナイトのリーダーには珍しく持ち上がり組でさ。金持ちなのは確かだと思うんだけど、独り暮らししてるって噂もあるし。とにかく喧嘩っ早くて、冷聖院さんとは犬猿の仲みたいだな」
「ふぅん…」
「それよりさ、二湖。お前、何でこっちに帰って来たの?」
心底不思議そうな虎太郎に、二湖はさらりと言った。
「おじさんに、退屈してるなら日本に来いって言われたから」