Bishop革命
教室からはザワザワと生徒たちの話し声が聞こえる。
おかしな学校ではあるけれど、案外生徒たちは普通なのかもしれない。
けれど、教室に入った途端、二湖のそんな淡い期待は打ち砕かれた。
「さぁ、ちょっと静かに!今日は授業の前に編入生を紹介する」
先生は、何の躊躇もなく話をしているけれど、二湖にとってはこの教室の光景は異様だ。
机に黒板。
同じ制服を着た生徒たち。
それはいい。
問題なのは教室の中央にまるで川みたいに隙間が作ってあって、生徒たちが真っ二つに別れていること。
右側は白いバッジをつけた『キング』の生徒。
反対の左側は黒いバッジをつけた『ナイト』の生徒。
分かってはいたけれど、まさかこれほどまで明確に、きっぱりと分裂しているとは思っていなかった。
もはや緊張も吹き飛び、あんぐりと口を開けたまま固まっていると、先生に自己紹介をと促された。
そこでやっと我に返り、慌てて名前を告げた。
「一ノ瀬二湖です。アメリカから来ました」