Bishop革命
「本当だね」
二湖も、高い空を見上げて大きく息を吸った。
「二湖って呼んでもいいか?」
「もちろん!」
二湖がそう返事をすると、密は嬉しそうに笑った。
初めて見た時は、近寄りがたい絶世の美人というイメージだったけれど、その笑顔はとても可愛らしくて、二湖をホッとさせた。
「良かったら、これ一緒に食べないか?家の者に持たされたんだが、1人じゃあ食べきれそうにない」
密はそう言って、手に持った重箱をつついた。
「いいの?」
「ああ。むしろこちらからお願いしたいくらいだ」
「ありがとう。じゃあ、ご馳走になる」
二湖が頭を下げると、密は地面にペタリと座り手招きをした。
手早く包みを開け、重箱を並べる。
「うわぁ。美味しそう…」
自然とそう呟きたくなるほどに、中身は豪華だった。
二湖自身はあまり食べたことはないけれど、お正月のお節料理のようだと思った。
「もしかして、密ってお嬢様なの?」