Bishop革命



「どうかな?自分ではそうは思わないけどな」


「いや、こんなお弁当持ってきてる時点でお金持ちでしょう?それに、『キング』なんでしょ?」



綺麗に彩られた巻き寿司をご馳走になりながら、二湖は言った。


密のブレザーには、真っ白なキングのバッジが輝いている。


密は、そのバッジを弄りながら答えた。



「『キング』に入ってるのは…、リーダーと親戚だからだよ」


「親戚って、あの冷聖院一哉と?」


「イチを知ってるのか?」

「あー、名前と顔だけね」


二湖が答えると、密は納得したような表情になった。


「イチはいとこなんだ。でも正直言って、馬鹿らしいよな」


「え?」



その言葉に、二湖が思わず聞き返すと、密は苦笑いしたままで続けた。



「『キング』も『ナイト』も、総裁制度も馬鹿げてる。二湖だって、そう思っているんだろ?」


「それは、まぁ…」



だけど、それがここのしきたりなのだと言われれば、従うしかないのかもしれない、とも思う。


< 33 / 37 >

この作品をシェア

pagetop