Bishop革命
「どうかな?自分ではそうは思わないけどな」
「いや、こんなお弁当持ってきてる時点でお金持ちでしょう?それに、『キング』なんでしょ?」
綺麗に彩られた巻き寿司をご馳走になりながら、二湖は言った。
密のブレザーには、真っ白なキングのバッジが輝いている。
密は、そのバッジを弄りながら答えた。
「『キング』に入ってるのは…、リーダーと親戚だからだよ」
「親戚って、あの冷聖院一哉と?」
「イチを知ってるのか?」
「あー、名前と顔だけね」
二湖が答えると、密は納得したような表情になった。
「イチはいとこなんだ。でも正直言って、馬鹿らしいよな」
「え?」
その言葉に、二湖が思わず聞き返すと、密は苦笑いしたままで続けた。
「『キング』も『ナイト』も、総裁制度も馬鹿げてる。二湖だって、そう思っているんだろ?」
「それは、まぁ…」
だけど、それがここのしきたりなのだと言われれば、従うしかないのかもしれない、とも思う。