Bishop革命
第一章
マンモス学校
「…ねぇ、諒介おじさん、日本ってコンパクトな国じゃなかったっけ?」
二湖は、学校医である叔父、一ノ瀬諒介【いちのせりょうすけ】の隣で呟いた。
季節は春。
日本の新学期に合わせて、二湖はアメリカから私立宝華学園高等部に編入することになった。
今日は登校第一日目。
アメリカでは珍しい、制服に身を包み、意気揚々と学校に出向いたのはいいのだけれど、しょっぱなから、そのあまりの広さに呆気にとられた。
「ここは学園都市みたいなものだからな。この敷地内に幼稚舎から大学院まで全部入ってるぞ」
「へぇ…」
その広さは、二湖が今まで通っていたハイスクールの五倍はありそうだ。
「呆けてないで、さっさと行くぞ。今日はとりあえず挨拶だけってことになってるからな」
二湖は諒介の言葉に頷いて、歩みを進めた。