Bishop革命
「…これはお前のか?」
男子学生は、書類を眺めながら二湖に聞いた。
「あ、うん。…ありがとう」
素直に礼を言い、書類を受け取ってから改めて男子学生を見ると、その容姿に目をみはった。
アメリカにいた時でさえ、こんなに綺麗な人には出会ったことはない。
透き通るような白い肌に、切れ長の瞳。
少し長めの髪の毛はくせのないストレートで、雰囲気によく似合っている。
けれど、全体的にどこか冷たい感じのする青年だった。
あまりに二湖がまじまじと見つめていたからか、男子学生は少し不機嫌そうな表情になって、一歩二湖に近付いた。
「…バッジがないな」
「…はい?」
男子学生の突然の台詞に、訳が分からず二湖は聞き返した。
バッジ?
この人は何を言っているんだろう。