Bishop革命
「お前、どっちだ?」
「…はい?」
益々、訳が分からない。
これは日本式の挨拶だろうかなどと二湖が考えているうちに、男子学生は痺れを切らしたのか、呆れたような口調で繰り返した。
「だから、『キング』か『ナイト』か、どちらだと聞いている」
「キ、ング…、ナイト?」
それって、王様か騎士かってこと?
あのチェスの駒の?
そう尋ねようとした時、後ろから諒介の声が響いた。
「あー、悪い悪い!こいつ俺のめいでさ。今日編入してきたばっかりなんだわ」
「…一ノ瀬先生の親類ですか」
男子学生は、やっと納得したようだった。
そんな男子学生に諒介は続ける。
「冷聖院、お前何でこんなとこにいるんだ?今は授業中だろ」
「今日は体調が優れなかったので病院に寄って来ました。今から教室に行くつもりです」
「ああそうか。じゃあ、こいつの面倒は俺が責任を持つから、お前はもう行け」