愛、シテあげる。*完*
「真央ちゃーん!」

げっ!ママ!?



廊下から聞こえた声に、私は固まる。


や、やばい。こんなとこ見られたら……。






ギュウ


「!?」




な、何だ?




「行くんですか」




ポツリと聞こえた声に、当たり前でしょと返す。



だって、早く行かないとまた面倒なことに……。



「だから、離して」



「……(ギュウ」





「っ?///蓮?」





余計腕に力を込める蓮を、見上げる。











「あ、ら?」










子犬。





そう、例えるならば子犬のような顔で。














「……嫌だ」





へ?








嫌だ?






今、嫌だっつった?



蓮は私の体を更に抱きすくめた。



サラサラの髪が私の髪に混ざり込む。












「もう少しだけ…………いて」





ぅぅぅッ//////


何その切ない顔!




か、可愛いすぎる。




可愛いすぎるよぉぉ///////









「う、うん、分かった」





「……(ギュウ」




「ぅ////」




本当に本当に、どうしちゃったんだろう。

まるで小さな子供みたい……。





必死に抱き締めてくる蓮に、違和感を覚える。










蓮、





そんなに必死に捕まえなくても




私は、居なくならないよ?




側にいるよ?







そんな意味を込めて、蓮の背中をポンポンと撫でた。









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