愛、シテあげる。*完*
えっと
えっとえっと??
何これ。
蓮ってば何してくれちゃってんの?
私の両手首を後ろから掴む蓮を、ギロリと睨む。
体勢的にちょっとキツイ。でも頑張るよ私は。
と思ったけど
やっぱ後ろ見なきゃ良かったな~
後ろを向いた途端、待ってましたと言わんばかりに、唇を奪われる。
うわ、しかもいきなり舌入れてきたし!
キツイ!蓮君蓮君!察して!真央ちゃんピンチだから!
「…ゃ……ん」
上顎をチロリと舐められ、おもいっきり肩が跳ねた。
うわ、ちょ、やだ…ん、ヤバ……何これ。
めっちゃ……
「…気持ち良かったでしょう?」
やっと唇から離れた蓮の顔は、微かに頬が染まっていて扇情的。てか色っぽい。
「はぁ、はッ……何、いきなり」
キツイ体勢だった上に、いきなり濃厚キスをお見舞いされたので……かなり、うん、かなり息が…………ゲホッ。
「真央さんが悪いんですよ?」
「はい?」
「あまりにも、可愛らしい声を出しているから」
「え?」
あれ?出したっけ私。
※無意識だった;
「声の原因は……」
ふっ、と手首を拘束していた手が離れた。
バチャッ
「あ」
「これ、だったみたいですね」
目の前にぶら下がるのは、どこにでもいそうな青っぽい魚。
「ああそうそう。そいつがさ、私の足の間を何度も通って……」
「(ピクッ」
「ぬるぬるするし、何度も来るし、ムカついてたんだ」
「(ピクピクッ」
「蓮凄いね、私捕まえられなかったのに……って、どうしたの?」
「……いえ。後で骨の髄まで食いつくしてやりましょうね(ニッコリ」
ヒッ!Σ;
出た魔王!
哀れな魚くん……。
魚に同情するなんて。生まれて初めてだよ;