愛、シテあげる。*完*
「…ん…」



さすがに息が苦しくなって、蓮の肩を押した。
蓮は物足りなさそうな顔をしながらも、素直に離れてくれた。
ここで離れてくれなかったら、私溺れてただろうなあ;





「ぷはぁっ」





待ち望んでいた酸素を吸い込む。はぁー!生き返る!


「…物足りないんですけど」

「バカ!///充分でしょ!」


睨む私を、蓮はギュッと抱きしめる。
蓮の腰骨がお腹に当たって、足長いなあなんて思った。

「いきなり足掴まれて、びっくりしたんだからね」

「自業自得です」

「はぁ?」


蓮の顔を見上げて、止まる。



う、わ……///
格好いい///

さすがはイケメンと言うべきか…。その顔は、思わず見とれてしまうくらいに綺麗。いや、綺麗っつーか……色っぽい///


絹糸のようにサラサラな髪は、太陽の光でキラキラ輝いていて。
前髪が上がっている蓮は、その切れ長の瞳が強調されて、より鼻筋の通った顔に見える。
薄い唇は少し開いていて、誰もが衝動で口付けたくなるくらい妖艶な雰囲気。




ッ///……顔が熱い。
蓮の顔から目をそらすと、白い首筋から鎖骨に、スゥッと水が伝うのが見えた。


……色っぽぃ//////





…………そうか私は、この体に抱き締められてるんだ。そうだ。

そうか……。










////////






そ、そう考えたら、一気に心臓の鼓動が速くなった……気がする!うん、気がするだけ!きっと!

ドキドキなんかしてない……してないしてないッ…////

ヤバイ。私、死んじゃうんじゃないかな。ドキドキして死ぬってどうよ?……あ、別にドキドキしてないし!
え?幸せじゃんって?いやいやいやいや苦しいよ!なんかね、胸の辺りがキュゥッてして……










キュゥッて……?











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