愛、シテあげる。*完*
●●紫side●●







何かあったわね。







真央と、海城蓮に。







なぜそう思うかっていうと、



真央が前みたいに笑わないから。




いつも、真央が笑うとつられて心が明るくなったりするんだけれど


違うの。







何だか、悲しくなるのよ。




痛々しいのよね。






それに、最近眠れてないのか


顔色も悪いし


目も腫れぼったくて。




誰がどう見てもこれは……。





「「おかしい」」

















同じタイミングに同じ言葉を発した人―――――梶谷君を見た。




彼だとすぐに分かった。



なぜなら彼は








真央に惚れてるから。






「梶谷君、今おかしいって言ったかしら」



「ああ」





案外近くにいた彼に近づく。



「ねぇ、もしかして真央のこと?」



「……ああ」




「やっぱりね。梶谷君、いつも真央のこと見てるわよね?」


「……」



一瞬、目が大きくなったのを見逃さなかった。



「図星?」



「っ///……やっぱ西園寺はすげぇな」




はあ、と赤い顔でため息をつく。




「当たり前よ。ね、真央、おかしいわよね?」



「…ああ。顔色悪いし、動きも遅い。あれは海城と……」



「海城蓮のこと、知ってるのね?」



「あ、まあ」



「真央との関係は知ってる?」





そう聞くと、戸惑う彼。




この反応はきっと、





予想はついてるけど確信は持てない感じかしら?




う~ん……。





これは、梶谷君に聞くべきじゃないわね。


「……まぁいいわ。またお話させてね」



そう言って、離れた。





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