愛、シテあげる。*完*
前にも同じように思うことがあったけれど


今回は、前よりも酷いことが分かる。


真央が、もぬけの殻のようだもの。




これは親友として放っておけないわ。


真央のお母様は、まだ出張中だろうし、話を聞くことができるのは私しかいない。




「真央」



自分の席にぼんやり座っている真央が私を見た。





目が、死んでるみたい……。


今すぐ問いただしたいのを必死で抑える。



「今日、時間ある?」


「……」


言葉には出さず、コクリと頷く。



「じゃあ、今日、私の家に来ない?」


「……(コクリ」



「決まりね。じゃあ放課後」



真央に優しく微笑んでから、クルリと踵を返す。




真央の顔が見れなくなったから。




今にも泣きそうな



消えてしまいそうな真央がいたたまれないわ……。




胸に走る痛み。




と、同時に






海城蓮に対する怒りが燃え上がる。







あいつ、真央に何したのかしら。


場合によっては、ただじゃおかないわ……。







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