愛、シテあげる。*完*
??
頭に何かの感触。
温かくて、大きい。
……あぁ分かった。
蓮君の手だ。
ポンポン、と私の頭を撫でながら、
蓮君は
少し困ったような、
悲しそうな、
寂しそうな……。
何とも言い難い……
でも、
胸に突き刺さるような表情をしていた。
「それは、いつか……教えます」
その言葉で、体が離れた。
支えを失った私は、その場にドサリと崩れ落ちる。
冷たかった床が、
微かに温かくなっていた。
「でも、覚悟しておいてくださいね」
「…?」
私の目線に合わせてかがむ蓮君。
スルリ、と
私の頬を優しく撫でながら微笑んだ。
こ、この笑みはさっきも見たような……。