愛、シテあげる。*完*
もしも君がいなくなってしまったら。




この世から、消えてしまったら。


















目の前が真っ黒に塗り潰されたような感覚に陥る。







そんなの、












「嫌、だ」








もう同じ世界に生きられないなんて、嫌ですよ。




嫌です。







絶対、嫌だ……。






















離れててもいいから


二度と会えなくてもいいから









お願い。






生きていてください……。









普通に笑って



普通に恋して



普通に、幸せになってほしいのに。













神様はどこまで、僕を嫌うんだろう。















「真央……さん」




分厚い扉の向こう。呼吸するのもままならない、瀕死状態のあなたがいる。



そんなこと、信じたくないです。



あなたが苦しい思いをしているなんて



痛い思いをしているなんて……。












「海城蓮」



「……はい」



「あんた、どうして真央が事故に遭ったか知ってる?」



「いいえ」



紫さんが、座りながらこちらをずっと見てくる。


隣に座れってことでしょうか。



紫さんと席一つ分空けて座った。



そして、自分の足が震えていることに気づく。



かなり動揺しているらしいですね。


らしくない。








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