愛、シテあげる。*完*
―――――!
キィ、と手術室の扉が開いた。
何時間、祈り続けたんでしょうか。
気がつけば、廊下も窓も真っ暗だった。
中から出てきた医者の側に、紫さんと一緒に慌てて駆け寄る。
マスクをしている医者は、あからさまに残念な顔をしていなくて
少し、安心した。
「先生、真央さんは……っ!」
「真央は!?」
ドキン、
ドキン
医者が口を開くまでの数秒間……
色々な考えが頭をグルグル巡った。
もしも、もしも。
手術が失敗していたら
もう息をしていなかったら
もう、手遅れだったとしたら……。
痛い。
胸が、痛い……。
「手術は、」
医者の薄い唇が言葉を紡いだ。
まるで死刑宣告を待つような緊張感。
心臓が、バクバクしている。
「手術は、
成功しました」