愛、シテあげる。*完*
ショックを受けた僕たちは、しばらくの間廊下に佇んでいた。




けれど、いつの間にか足がノロノロと動き出す。


















向かった先は











真央さんがいる、緊急治療室。



















向かう途中、ポケットの中の携帯が、何度か震えた。



おそらく、父さんか会社の人だろう




僕は携帯を手に取り、静かに、電源を落とした。
































長い廊下を歩き、あるプレートの前で立ち止まる。



『緊急治療室』

――吉岡真央――









プラスチックの板に、その名前が書かれていることに、ショックを受けた。


本当に真央さんはここにいるのだ、と


改めて実感した。















紫さんが、待ちきれないように取っ手に手を掛ける。





カラカラ、と音を立てて扉が開いた。









鼻についた薬品の匂い。


数々の機械。







呼吸器をつけた、愛しい人。








「真央さん……」














あなたの姿は、この間見たものとは全然違っていて





信じるのが難しい。

未だに夢だと思ってしまう。







だって、あまりにも



青白くて


儚くて





今にも、消えてしまいそうだから……。

























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